2026年10月7日
契約書レビュー:完成前コンドミニアム
1. 業務範囲と対象外事項
対象:上記の1住戸の売買契約書の草案を、タイ法の下での購入者の立場からレビュー。
対象外:権原と担保権の調査、プロジェクトの許認可(EIAを含む)の確認、予約書と広告資料のレビュー、税務の助言、現地確認。これらは別のステップとして追加できます。
書類一覧と未解決の点
| ID | 資料 | ステータス | 扱い |
|---|---|---|---|
| D1 | 売買契約書の草案 | 14ページ、未署名、架空 | 契約上のリスクのみをレビュー |
| D2 | 予約書 / 予約金の領収書 | 未提供 | 予約条件と売買条件を照合する前に取り寄せる |
| D3 | 権原、担保権、プロジェクトの許認可 | 未提供 | 別途のデューデリジェンスが必要 |
| D4 | 住戸の図面、仕様、支払スケジュール | 別添資料の提供なし | 署名前に別添資料一式を取り寄せる |
契約上の約束は、権原、許認可、登記の可否、工事の進捗を証明するものではありません。不足している証拠は未解決の点として残ります。最終的な署名の提言の前に、予約書類と別添資料一式を入手してください。
2. 概要
提言:署名前に修正を求める。高リスクの論点が3つあります。売買契約がなくても予約金が没収されうること(第3.2条)、購入者名義で登記できない場合の明示的な返金規定がないこと(第4.1条)、代金の大半が担保の定めなく名義移転前に支払われること(第5条)です。中リスクの論点が3つあり、2つの規定は修正版草案との整合を条件に「維持」としています。
これは架空の契約についての懸念点であり、実在のプロジェクトについての結論ではありません。権原、許認可、外国人枠の空き、工事の進捗は独自に確認していません。
3. 論点表
| 条項(ページ) | 論点 | リスク | 提言 |
|---|---|---|---|
| 3.2(2ページ) | 予約金 売買契約が提示されなくても、デベロッパーは予約金を保持できます。購入者は拘束力のある購入契約を得られないまま予約金を失うおそれがあります。 | 高 | 受け入れ可能な契約書を提示する期限と、期限を守れない場合の全額返金を合意する。予約条件がその修正に従うことを書面で確認してもらう。 |
| 4.1(3ページ) | 登記 / 外国人枠 外国人枠の範囲内で住戸を購入者名義で登記できない場合の明示的な返金規定が、草案にありません。登記の可否と外国人枠は独自に確認していません。 | 高 | 購入者名義で登記できることを取引完了の条件とし、その条件が満たされない場合の返金の仕組みを定める。別のデューデリジェンスのステップで最新の裏付け資料を入手する。 |
| 5(4ページ) | 名義移転前の支払い 代金の大半が所有権移転前に支払われ、エスクローやその他の担保の定めがありません。支払いの領収書だけでは、工事の進捗も返金の確保も証明できません。 | 高 | 名義移転前の支払割合を下げるか、適切な担保を求める。各段階の書面の証拠と検査を定め、争いのある段階の支払いを保留する権利を交渉する。 |
| 7.4(6ページ) | 面積の差異 認められた面積の許容差により、価格の調整なしに住戸が小さくなるおそれがあります。草案は測定の基準を明確に説明していません。 | 中 | 測定の基準、狭い許容差、それを超える場合の按分による価格調整を定める。署名する間取り図と住戸明細を契約書と一致させる。 |
| 8.1(7ページ) | 完成の延期 明確な上限なく完成を延期できます。約束された完成日の意味が弱まります。 | 中 | 延期が認められる事由、通知と裏付け資料、合意した解約・返金の方法を伴う最終期限を定める。 |
| 10.2(9ページ) | 名義移転費用 名義移転費用はすべて購入者負担とされ、項目別の見積りも当事者間の義務の区別もありません。そのため、最終的な取引完了の費用が不明確です。 | 中 | 項目別の取引完了費用の見積りを入手し、署名前に各費用の負担を書面で合意する。税額計算と税務の助言は本レビューの対象外です。 |
| 11(10ページ) | 遅延補償 草案には完成遅延の補償が含まれています。これを維持すれば購入者は契約上の救済を得られますが、その価値は発動条件と延期の規定によって左右されます。 | 維持 | この保護を維持する。第8.1条の修正で発動条件が無効にならないか確認する。この見本では実際の補償額は評価していません。 |
| 14(12ページ) | 紛争解決の場 草案はタイの裁判所を指定しています。この架空の例では文言を維持しますが、実際のレビューでは当事者と紛争解決条項全体を検討します。 | 維持 | この例では維持。契約言語と通知の規定が、合意した紛争解決の手続きと整合しているか確認する。 |
4. 提言
- 第3.2条、第4.1条、第5条が修正されるか、追加合意書で手当てされるまで署名しない。
- 最初の分割払いの前に、依拠しているプロジェクトの許認可をデベロッパーに書面で確認してもらう。
- 各分割払いは、その段階の証拠の確認と現地確認の後にのみ支払う。
- 本報告書とすべてのやり取りを保管する。プロジェクトが遅れた場合、その経緯があらゆる請求の裏付けになります。
5. 次のステップ
| ステップ | 内容 | 料金 |
|---|---|---|
| 2. 交渉と追加合意書一式 | 署名前の条件、簡潔な追加合意書の文言、執行可能性についての意見。 | 固定料金、ご依頼に応じてお見積り |
| 3. 分割払いごとの保護 | 各分割払いの前に、証拠の確認と日付入り写真による現地確認。 | 段階ごとの固定料金、ご依頼に応じてお見積り |
本報告書は第1節に記載した書類のみを対象とするもので、その範囲外の書類や事項についての助言ではありません。
行動計画と担当
| 時期 | 調整・実行する者 | 行動 |
|---|---|---|
| 署名前 | 購入者 / 担当マネージャー | 不足している別添資料一式と予約書類を入手する。レビューの範囲と期限を確認する。 |
| 署名前 | 当社の法務チーム | 第3.2条、第4.1条、第5条の修正案を作成し、完成、面積、費用の規定を整合させる。 |
| 支払いを約束する前 | 購入者 / 当社の法務チーム | 権原、許認可、登記の追加確認を合意する。書面の結果を受けてから、進めるかどうかを判断する。 |
| 合意した各段階の前 | 当社の法務チーム / 建物検査チーム | 段階の証拠を確認し、合意した範囲で検査する。支払日の前に不一致を報告する。 |
| 名義移転前 | 購入者 / 担当マネージャー / 当社の法務チーム | 取引完了の範囲、書類、代理権限を別途合意する。未充足の条件と費用見積りを確認する。 |
業務範囲と料金の合意なしに次のステップが始まることはありません。実際の依頼者向け報告書には責任を負う資格を持つ弁護士の名前を記載し、書類とレビュー日に合わせて作成します。
